【ライブレポート】11/30(土)タビノエ -きこえる音、浮かぶ風景 vol.2-

TINÖRKS

2019年11月30日(土)東京蔵前にあるゲストハウスNui. HOSTEL&BAR LOUNGEにて
開催されたイベント「タビノエ -きこえる音、浮かぶ風景 vol.2-TINÖRKSとして
演奏させて頂きました。(写真はすべてカメラマン清水舞さんに撮影いただきました)

「タビノエ」はorange plus musicの石松豊さん主催の映像と音楽のイベント。
昨年vol.1に引き続き参加させて頂きました。(vol.1のレポートはコチラ)

タビノエ 特設サイトから引用

音楽から風景を感じたことはありますか?

音楽を聴いた時、自然の風景やどこか遠くの街並みが思い浮かぶことはありませんか。
その絵は思い出の場所だったり、憧れの光景だったり、日常の1コマだったり、様々でしょう。
音楽は想像の中で、時間を超えて旅ができる。
秋の終わりの土曜日に、心地よい気持ちになったり、懐かしんだり、自由に楽しんでください。

前回は4人編制でしたが、今回はバイオリン&ヴォーカルにhara kanaさんを迎え
さらにオーガニックで柔らかな日本では珍しいスタイルのエレクトロニカサウンドを
5人編制で表現。

まるで北欧の街に実在するかのようなNui.の雰囲気の中、水色デザインさんの映像で
コラボレーションして頂けたので、他では体験できない特別な時間を過ごすことができました。

音楽と映像の境界線がなくなり、今ここにいる風景からはるか遠い風景へ旅するような
「旅ごこち」の気分に包まれて。

この日のためにNui.のスタッフの方が作ってくださった特製カクテル ノンアルコールの「Day-Time Traveller」とアルコールの「Night-Time Traveller」僕は夜の旅人を飲みました。

お聴き頂きましたみなさま、共演者のno.9さん、Tomoya Itoさん、大場傑さん、
Midori Hiranoさん、Kaliber16さん、水色デザインさん、福田新さん、
林田まきさん、清水舞さん、Nui.の屋良ななみさん、スタッフのみなさん、
そして主催者の石松豊さん、ありがとうございました。

出演が決まった時から新曲「Lic-Li」、「タビノエ」を書き始め、メンバー全員
『タビノエ』に向けて何回も調整を重ね、当日を楽しみにしていました。

2019年最後のライブという区切りの時に、たくさんの方々と音楽を
共有させて頂いたことに心から感謝しています。

音楽を大切に想う方々と過ごしたタビノエの風景の旅。
それは僕にとってこれからも決して色褪せることのない宝物です。

さて、ライブの心地良い余韻が今もかすかに続いている間にTINÖRKSのライブを
レビューしようと思います。

セミグランドピアノの屋根にも布を巻き映像を投影。 いくつもの布に映し出された水色デザインさんの映像が絶妙な奥行き感を生み出してくれました

【set list】

1 Komorebi[after a rain]

MC

2 旅人の絵本
3 Quark

MC

4 Lic-Li *新曲
5 星のピアノ

MC

6 Terrarium

MC

7 タビノエ *新曲

TINÖRKS Quintet「Komorebi [after a rain]」タビノエ vol.2 @Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE 2019/11/03 (1/7)

(動画はすべてnekoさんに撮影していただいたものを使用しています。
音源部はhara kanaさんに録音していただいたものを建水が編集)

前回vol.1の最後の曲が「Komorebi [after a rain]」でしたので
その続きという意味で最初に持ってきました。

2:30のhara kanaさんのリバーブが深めのバイオリンのpizzが世界観に
奥行きをもたらしてくれているのと、3:57からの盛り上がるセクションは
ギターとバイオリンのユニゾンやチェロのフレーズ、メロディオンのほのぼの感、
エレピのLo-Fi感など5人編成ならではのgrooveが出ていると思います。

楽器紹介を中心にした雫のMCの後、「旅人の絵本」、「Quark」
前者のイントロではバイオリン、チェロの白玉フレーズの上にローホイッスル、
ギター、カリンバが重なるアレンジで文明が発達していない街の様子を。

後者では打って変わって宇宙が始まる神秘的な様子を表現。
スウェーデン語の唄、ダナミックレンジの広いストリングス、ラップハープの
裏メロでハーモーニーを奏でるギターなど各パートの聞きどころがいくつもあります。

「旅人の絵本」演奏中後ろに映っているのはノルウェーのフィヨルドの風景。
主催者の石松さんが北欧へ旅行されたそうで実際訪れた場所の風景が使われています。

曲の世界観通り音楽を聴きながら旅をしているような感覚になります。

TINÖRKS Quintet「旅人の絵本」タビノエ vol.2 @Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE 2019/11/03 (2/7)
TINÖRKS Quintet「Quark」タビノエ vol.2 @Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE 2019/11/03 (3/7)

次の「Lic-Li」はこの日のために準備した新曲。
日本語で「陸離」

大きな時間の流れの中でそれぞれ光に照らされる瞬間。
記憶の森の中で光が雨粒に反射してキラキラ輝くように国境や文化、
背景の異なるものすべてが平等に讃えられるもうひとつの世界があるのなら、
その時だけでも童心に帰って心が満たされるのならというコンセプトです。

TINÖRKS Quintet「Lic-Li」タビノエ vol.2 @Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE 2019/11/03 (4/7)

雫とともにバイオリンを担当するhara kanaさんのヴォーカルが聴ける
印象的なアレンジにしました。

ギターの霜野さんはセクションごとに音色をいくつか使い分けているので
それも聴きどころのひとつ。

2:53、4:01などでどこか物悲しい響く久々津さんのチェロの旋律も
世界観が出ていて興味深いところ。

codaで雫が指にはめて時々ミュートしながら「カチカチ」演奏しているのは
タップネット。見た目が優しくいい感じなのと、音も芯のあるしっかりとしたもので
気に入っています。

クラシカルな楽器やギター、電子楽器と一緒に演奏している風景は
意外性があっておもしろいかなと思いアレンジに取り入れました。

ちなみに映像では見にくいですが、僕はシンセとHOKEMAのツインカリンバ、
スパークシェーカー(SH17)を担当しています。

「Terrarium」でもスパークシェーカーを演奏してますが、そちらは型番が違うSH18。

(MEINELのスパークシェーカーSH17。振る角度によってピッチが変化する
色々可能性のある面白い楽器)

0:05や2:45で鳴ってる「フ〜ン」という森の中を表した音は
大好きなチェコのゲーム会社Amanita Design(アマニタ・デザイン)の
Samorostシリーズに影響を受けています。

Samorost 3 Official Trailer

△▼△▼△▼△▼△▼

Lic-Li

少年は今 眠りからさめる
途切れることのない かすかな響き

照らして 深い森の木を
まぶしく包まれるほど

舞い降りてくる 雨粒をはじいて
反射してうつる もうひとつの世界

手のひら かざして 透けて
あらゆる言葉 消えた 空

はりつめた吐息 原生林をまとい
木霊してつたう 洪積世の香り

はるかな流れの片隅で
僕らは満ちていく頃を思う

△▼△▼△▼△▼△▼

TINÖRKS Quintet「星のピアノ」タビノエ vol.2 @Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE 2019/11/03 (5/7)

続く「星のピアノ」今年のライブでも常に演奏したお気に入りの曲です。

今回の「タビノエ」はセミグランドピアノを使えるということでしたので、
曲のイメージ通りピアノでバッキングパートを演奏しました。

即興ではなくてライブで生ピアノを弾いたのは10年以上ぶりかもしれません。

僕が生楽器を弾いてオケも使わないとなるとバンドの電子楽器率が一気に下がるのですが、
そうなったとしてもやっぱりTINÖRKSの雰囲気は変わらないのが個人的に面白い点です。

それからこの曲のハイライトは何と言っても3:06-から漂いはじめる
水色デザインさんによるオーロラ演出。

いくつもの布に投影された光は柔らかく幻想的で時間を忘れてしまうほど。
特に3:39で音がふわっと消えるのとオーロラの変化がシンクロする様子は
美しい瞬間でうっとりします。(いちリスナーとしての感想)

水色デザインさんが水の入ったフラスコを使って映像演出される一場面

次は「Terrarium」(テラリウム)。

バイオリンと笛のユニゾンアレンジがさらにケルティック感を増して
とても心地いいgrooveが出ていると思います。

最後のクラップのセクションでは一緒に参加していただいたお客さんもたくさんいて、
心の中で「おおっ〜すごいっ」って思いました。

リズムが裏拍なので合わせるのは難しいと思うのですが、
さすが聴き込んでいる(笑)ことだけあるなあと、個人的に驚かされました。

TINÖRKS Quintet「Terrarium」タビノエ vol.2 @Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE 2019/11/03 (6/7)
TINÖRKS Quintet「タビノエ」タビノエ vol.2 @Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE 2019/11/03 (7/7)

そしてライブの締めは新曲「タビノエ」。

イベントのコンセプトを自分なりに汲み取って書きました。

その時は気づかない日常の何気ない風景でも、
いつの日か大切な絵になるという穏やかな気持ち。

木々の緑を眺めたり、空の向こうにある異国の地を想像したり、
季節の移り変わり、色彩を美しいと思ったり、大切な人のことを想ったり。

穏やかな心の動きが未来の風景に連なっていく様子を大切にしたいという気持ち。

「音楽は想像の中で、時間を超えて旅ができる」

あの時の風景と未来の風景をつなげることを音楽で担えたら。。。

△▼△▼△▼△▼△▼

タビノエ

きこえる はじまりの朝
浮いていく 静かにとおく

蒼い雲の道へ
そのままに歩いて行こう

それは君のタビノエ
いつの日か大切な絵になる

それは小さなタビノエ
未来へと おだやかに続いていく

△▼△▼△▼△▼△▼

「タビノエ」はイベント全体のエンドロールの位置付けでアレンジを考えました。

後半のセクションで雫が代表してイベントに携わっていただいた全ての方々に
感謝の気持ちを込めて紹介。

会場にいらっしゃった方々の拍手が暖かくて素晴らしい雰囲気にしていただいたので、
演奏しながらぐっとくるものがありました。

またこの曲はアンビエントなSEのオケを使用していますが、拍子やテンポと
同期していません。ですので毎回オケとメンバーの演奏はズレるのですが、
上手く響くような仕掛けにしています。曲の雰囲気はポップなので
それに偏り過ぎない様にバランスを取る意図でアレンジしました。

それから本番に向けてTINÖRKSのメンバーそれぞれ限られた時間の中で何度も
調整をしてもらったのと、雫はMCも含めて準備が本当に大変だったと思います。

自分も体調を壊さずにこつこつ頑張ってやり切ることができたので、心に残る
いいライブなりました。

雫、霜野さん、久々津さん、原さん、素晴らしい音、演奏をありがとう。
心から感謝しています。

素晴らしいメンバーと音楽を表現できて本当に幸せです。

次回のライブはいつになるか、もしかするともうないかもしれませんが、
(ライブを続けたいのですが、珍しい音楽スタイルでの活動は年々厳しくなっている)
またどこかでTINÖRKSらしいステージができればと思っています。
(演奏できそうなイベントがあれば教えてください)

それから来年は音源制作をして個人的にはヨーロッパに挑戦するアイデアを
練る年にしたいと思っています。

風のようにやわらかく柔軟に人生を進みながら、
心の片隅で夢を叶えるという気概をもって。

2019年12月22日冬至
建水歩星

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