【レビュー】 keshiki.「雪月華」- setsugekka -を聴いて

レビュー

keshiki.「雪月華」- setsugekka

公式サイトから
keshiki.さんの
プロフィールを引用

2014年に宇都宮市にて結成。
Drums/Manipulator 加藤、Keyboard 小堀。
”keshiki.”(景色)を垣間見せる音を奏でる、
ポストロック/エレクトロニカユニット。
宇都宮市を拠点に、主に都内、埼玉で活動している。
2017年9月より VJ導入。
Yasei Collective、MKS-project等の実力派アーティストのO.A.として出演歴あり。
2015年11月 demo e.p. ”White Birch”発売。
2017年12月下旬、e.p. “雪月華 -setsugekka-” 発売。

keshiki.さんの
新譜「雪月華」
を繰り返し聴いている。

心地よさだけではなく、
美しい景色に
心を導いてくれる
旅をするかのような時間
過ごすことができる。

雪 月 華 -setsugekka-(e.p) trailer / keshiki.

今年6/23レコ発で
心斎橋somaでライブをされた時、
パフォーマンスを見て、
ピアノのリフが
澄んだ楽曲から
現代音楽のような
前衛な表現もあり
内容がとても攻めてる
印象を受けた。

収録曲と印象

「雪月華」- setsugekka –

01. mi ka ge -水 陰-
02. lumi
03. limited space
04. 花時雨
05. limited space(Masanori Nozawa Extrasolar Remix)

CD「雪月華」は
Remixを含めた
5曲収録のEP。

前衛さよりもはかなさや、
せつなさ、緻密に練られた
ドラミングで構成された
エレクトロニカ。

CDのタイトルが示す通り、
「雪」、「月」、「華」
が織りなす
自然の美しい景色を
音楽に変換した作品。

トラック1の
「mi ka ge -水 陰-」の冒頭、
小鳥のさえずりと
小川のせせらぎが聞こえはじめ、
間もなくピアノとドラムが
畳み掛ける様は
森の景色が
すうっと目の前に広がる。

表現したい核が
このわずか10秒内の
セクションに凝縮されている。

日本人が思う景色

景色と一概に言っても
無限に存在するが、
keshiki.さんの音の「響き」
とりわけピアノの旋律
パーカッシブな音色
vocalの動き、
ピッチ、抑揚に
日本の四季を喚起させられる。

日本人だからこそ美しく、
懐かしく感じる景色が存在する。
その感性を思い出させて
くれるような気がする。

トラック2の「lumi」は
調べてみると
フィンランド語で
「雪」を意味する単語である。

その意味を包含しているか
どうかは確認したわけではないので
定かではないが、
vocalの重なるハーモニー、
ストリングスのオーガニックな
響きと丸い音色の
シーケンスの対比は、
雪の持つイメージを
電子的に解釈した
世界観だろうか。

音作りの印象

全トラックを通してピアノ、
ヴォーカル、
シーケンス等を中心とした
上物とベース、ドラムの
低音セクションの
コントラストがはっきりと
描かれているため、
景色の中で浮遊しているような
感覚が強調される効果を生んでいる。

それはミックス時に
ダイナミックレンジの処理が
緻密に行われていることにも
起因していると推測されるが、
マスタリングにおいても
作業以上のクリエイティブな
エッセンスが丁寧に
加えられているはずだろう。

各パート、音の分離感を
明確にしつつ
サスティンの部分で
音を絶妙に滲ませる手法は、
プラグインの扱いだけでなく、
アレンジの試行錯誤の末に
導き出したものだろうと思う。

エレクトロニカの
特徴のひとつである
ミニマルミュージックを
基調としつつ、
生楽器と電子楽器を
心地いいバランスで
ミックスし、打ち込みと
有機的なリズムの揺れによって
生み出される緻密なグルーヴは
彼らが音楽を
どれほど愛しているか
自然と伝わってくる。

聞く側としての立ち位置

エレクトロニカや
フォークトロニカ、
new ageなどのジャンルは
音楽だけを聞くと、
抽象的な要素が強いため、
時にはリスナー側の
感性が試される一面がある。

ライブを見る前に
webである程度、
keshiki.さんの楽曲を
聴いていたが、
実際にライブで
彼らのパフォーマンスを
体験した後に
源を聞くと伝わり方が違う。

ライブを見る前と後では違う

具体的に言うと、
ライブを見る前と後では
心に描かれる
景色が全く異なる。

例えば曲を聴きながら
川のせせらぎを
思い浮かべると、
綺麗な映像ではあるが
いささかぼんやりしている。

けれどパフォーマンスを見ると、
彼らが何を表現したいのかが
伝わるため、川の水が
打ちつける石の形、
大きさ、苔の色、
そばにある枯れ木の重なり、
それらを囲う木々の佇まい、
風の質感がはっきりと
現れてくる。

心の解像度が
ぐっと上がり、
鍛えられると言えば
伝わるだろうか。

音のおもしろさ

美術作品が
好きな人であれば、
目の前で鑑賞している
絵の中に自分が
存在しているかのような
質感に出会えるのと
同じだろう。

美術と違う点は
音楽の中に
自分の存在する世界が
百人十色ということだ。

そこがkeshiki.さんのような
良質な音楽の面白さであり
醍醐味である。

そしてこれは先に書いた
音楽ジャンルを表現する
アーティストにとって
ライブのパフォーマンスが
いかに重要であるか
意味している。

ライブの際、スクリーンに
映像を投影しながら
演奏する彼らのスタイルは
そこが屋内であることを
忘れるくらい心を
「景色」に誘い出して
くれるものであった。

個人的な要望

さらに要望を言えるのなら、
現実世界の自然の中、
例えば川のせせらぎが
聞こえる森の中での
パフォーマンスを見てみたい。

そこがもし
日本の美しい場所であれば、
なおさら音楽を聴きながら
想像を超える景色(keshiki.)に
出会える気がする。

2017.12.27 『雪 月 華 -setsugekka-』e.p.リリース。

四季折々の風景、そこから生まれ来る心の動き、感情。
繊細、且つ時に激しく、リスナーの心に訴えかける。
【Track List】
1. mi ka ge -水陰-
2. lumi
3.limited space
4.花時雨
5.limited space (Masanori Nozawa Extrasolar Remix)

¥1000 (more records / iTunes / Apple Music /
Google Play Music / OTOTOY /Live会場にて販売)

公式サイト

keshiki.

コメント

タイトルとURLをコピーしました