TINÖRKS

ライブは当分お休みします。

今時点でひとつオファーのメールを出しているので
奇跡的に了承をいただければ状況は少しだけ変わるかもしれませんが、
それがなければ当分ではなくて去年の11月のライブが
TINÖRKSにとって最後のライブ。

辞める理由はいくつかあるけどモチベーションがなくなったのが一番大きい。
いつからかライブのために練習を繰り返して演奏のクオリティを上げたり、
お金、時間、エネルギーを使っても本番で実力を十分に発揮することが
できない状況が続いて、それでも活動環境が少しでも良いように変わることを
信じてやってきましたが、気持ちが完全に尽きました。

もちろん音楽をきちんと扱ってくれるオーガーナイザーの方々もいて
環境も良くて自分たちの音楽を十二分に表現できたこともあったので
今まではそれが細い糸になって自分のモチベーションをつないでいました。

けれど例えばライブをさせてもらうのに自分から慣れない営業メールを出して
何回も交渉したり、ライブの時にリハーサルやサウンドチェックすらない
イベントで演奏すること、時には電源すらまともに確保できない状況があったり、
時間がない中、自分でPAをしないといけなかったり、対バンの方に
無断で自分の機材を使われたり、色々なことで精神的に限界が来ました。

表現に集中する以外のことでエネルギーを使わないと
演奏活動ができない状況がずっと続いていたからです。

今になって思うと活動する中で自分は一体何と戦っていたのかと
無意識に自問自答していたと思います。

音楽を丁寧に扱いたい。けれど状況はそうではないことの方が多かった。

書いても愚痴にしかなりませんが、先日soundcloudに
韓国の方からメッセージが来ました。


Can I use your songs in my YouTube video?
I truly love your songs.
Please replay me as soon as possible!
Thank you.

訳すと
あなたの音楽が好きだから私のyoutubeで曲を使わしてくれませんか?
できるだけ早く返事してください。


すごくうれしかったので、お礼を述べて、どの曲を使いたいのか
教えてほしいと質問すると、特定の曲名を言うのは
難しいけど選んだ曲の使用許可が欲しいし、
今すぐに返事が欲しいと返ってきた。

曲名が決まってない上に、無作為で使用許可を出すことに
不満がなかったわけではないけど、
youtubeの動画が個人的な旅行のvlogだったので、
まあいいかと思って、でも曲を使用する時は
“Music by TINÖRKS”とHPのURLを入れて欲しいことを伝えると
気を悪くしたのか、面倒臭くなったのか返事が返ってこなかった。

こういうことは経験してきたたかだか一例に過ぎないけど、
今まで色々なことで自分の書いた作品が雑に扱われてきたこと、
そしてそれに耐え続けてきたことが知らないうちに
ゆっくりと確実に自分の精神を蝕んでいたんだと思う。

そういう音楽の状況から自分を救いたいし、解放してあげたい。

きちんとした形で残せていない曲があるので、
それをどうするか悩みますが、できるなら完成させたい。

先日、兵庫県立美術館でやってるゴッホ展に行きました。
思ったよりも規模が小さかく、作品数も少なく、
期待値よりも低かったのは否めません。
けれど、初めて見る「薔薇」の作品は静かに心に響きました。

ゴッホが療養していたサン=レミ時代に描いた作品。

人それぞれに見方があるけど、自分は爽やかさよりも、
美しさの中の孤独感、理解して欲しいけど、
理解されない葛藤のようなものを感じました。

本当のところは分からないですが、描きたいものと描かざるをえないもの、
目の前にある対象と心で見えてしまうものの狭間で揺れ続ける苦しさと
希望が交錯する感情が伝わるようでした。

ライブで演奏している時、自分ではどうすることもできない
色々な制約が表現を縛るけど、頭の中では本当はこうじゃないと知っている。
その間の距離がどんどん乖離していく様子と似ているように感じました。

苦しくてもそれを肯定し続けないと前に進めない。

吹いている風が爽やかだけど、歪んでいるような。

会社員をしながらきちんと考えてライブ活動をするというのは
自分には向いていなかったし負担が大きかったんだろうと思います。

いったんすべてを手放して自分の心を軽くしたい。
何かに耐えながら音楽をしないでいい。

もう何とも戦わなくていい
認められなくてもいい

TINÖRKSのメンバーにはいつも助けられました。
不満もたくさんあったと思いますが、表には出さずに
協力してくれました。

音楽を通して出会えた方々もたくさんいて、
いい思い出もたくさんありました。

共感してくれたり応援してくれたり救われたり
音楽活動していたからこその幸せがありました。

いい道を進んで来れたと思います。
ありがとうございました。

時が経って心が回復したらまた音楽を作ろうと思います。

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